歴史ぱびりよん > 映画評論 > 映画評論 PART5 > ハロー・ヘミングウェイ Hello Hemingway
制作;キューバ
制作年度;1990年
監督;フェルナンド・ペレス
ゲバラ2部作を紹介したついでに、キューバ関連の映画をいくつか紹介します。
「ハロー・ヘミングウェイ」を、渋谷アンジェリカでの単館上映を見ました。さすがキューバ映画!客はオイラを含めて2人しかいなかったです。ほぼ貸しきり状態。っていうか、映画館は大赤字??
1956年(革命前ですな)のハバナを舞台にしたひと夏のほろ苦い青春映画。アメリカ文化に憧れる多感な文学美少女ラリータが、アメリカ留学を目指して大奮闘します。主人公の家の隣にヘミングウェイが住んでいます(実際に、彼はハバナ郊外に住んでいた)。そして、主人公は「老人の海」の大ファンです。
物語の基本構造が、「老人と海」のストーリーを微妙になぞっているのが隠し味。その割には、少女は最後までヘミングウェイに会えないままなのですが。 なかなか甘酸っぱい、良く出来た映画でした。
それにしてもキューバって、社会主義国のくせに、政治色の無い映画を作るんですねえ。 しかも、1990年代のキューバは、ソ連崩壊の影響で絶望的な経済危機に直面していた上、アメリカの経済封鎖が強化され、全国民が飢餓に陥りかけていたのです。そのような時期に、このような「親米的」な内容の映画が作られたのは驚きです。
社会主義のキューバって、実は、今のアメリカや日本よりも、リベラルで自由な国だったりして?