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映画評論

映画評論 PART9

アナと雪の女王  Frozen

制作:アメリカ

制作年度:2013年

監督:クリス・バック、ジェニファー・リー

 

 2014年最大のヒット映画。主題歌も大ヒットした。

 どうせ詰まらないだろうと思ったので、弟一家からブルーレイを借りて無料で観たところ、この判断は大正解。こんな詰まらない映画を観たのは、生まれて初めてだ。

 あまりにも詰まらな過ぎて、観終った瞬間に「観たこと自体」を忘却した。翌朝、未見のような気がして、間違えてもう一度観そうになったほどである(笑)。

 なにしろ、「頭が物凄く悪い登場人物たちが、物凄く頭の悪い行動を取り続けた結果、状況がどんどん悪くなる一方となり(当たり前だ!)、だけどラストはご都合主義が大爆発して、なぜかハッピーエンドに収まる」物語なのだ。そのため、登場人物にも劇中の状況にも、何一つとして感情移入できなかった。

 もっとも、これがスラップスティック調のコメディなら(天才バカボンとか)、それでも面白く出来たかもしれない。しかし、この映画の作りはそのようではなかった。

 「詰まらなかったのは、俺がヒネくれているせいかな?」と一瞬心配になったのだが、私の周囲のある程度頭の良い人は、みんな私と同様の感想を持ったようだ。

 もっとも、しょせんは子供向けのディズニーアニメなのだから、作品の不出来について制作者に文句を言っても仕方ない。おそらく、制作者自身が「なんで、こんなアホウな作品がヒットしたんだ?」と当惑しているような気がする。考えてみたら、尺が1時間30分程度しかないし、原題のFrozenも、なんだかテキトーな付け方である。これすなわち、「低予算で投げやりに作った映画なのに、なぜかヒットしちゃった」王道パターンかもしれない。

 そんなのが大ヒットになったのは、要するに、アメリカや日本の一般大衆(特に日本人)が、頭が悪くなったからである。周囲の人間がどんどん頭が悪くなっていく社会の中で、真面目な歴史小説を書いている自分の徒労さが哀れになって来る昨今であった。

 もっとも、それは2014年に発表された新作映画と新曲が軒並み駄作だったために、観客が「アナ雪」とその主題歌に流れざるを得なくなったという事情もある。根本的な問題は、日米両国の文化全体の衰退と不作にあるのかもしれない。

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