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映画評論

映画評論PART10

ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火  BELYY TIGR

 

制作:ロシア

制作年度:2012年

監督:カレン・シャフナザーロフ

 

(あらすじ)

 第二次大戦末期の東部戦線。

 ドイツ軍は謎の新型戦車「ホワイトタイガー」を繰り出して来た。

 ソ連軍は強化改造したT34戦車と、謎の超能力を身に着けた戦車兵イワン(アレクセイ・ヴェルトコフ)を繰り出して、これと対決する。

 

(解説)

 DVDで観た。

 戦車を題材にした映画で、「フューリー」とは全く逆のアプローチで失敗している映画なので、ここで採り上げた次第。

 すなわち、リアリティは完璧なのに、娯楽性においてマズいことになっている。

 この映画における戦車戦は、CGなどを用いずに実際の車体を用いて撮影しているので物凄くリアルである。また、部隊行動や戦車戦術などの描写も完璧なので、「フューリー」と違って、この私が文句を付けたくなるところが一ヶ所も無い。それだけでも、凄い作品である。戦車マニアは、間違いなく感涙ものである。

 しかしながら、ストーリーにいろいろと無理がある。

 そもそも、超能力者を主人公にした時点でアレだけど、「ホワイトタイガー」を、物理法則を完全に無視した超自然の魔物のように描いているのはどうだろう?そうかと思えば、カイテル元帥を突然登場させて歴史ウンチクをさせる。

 つまりファンタジーの要素と真面目な歴史ものの要素が、一本の映画の中にグチャグチャに混在しているのだ。

 その上、ラストは一切の伏線を回収しないで終わってしまう。イワンの超能力の謎も、「ホワイトタイガー」の正体も分からずじまいだ。観客の想像力を試しているとか、そういうことなのだろうか?なんか、無責任な感じである。

 その分だけ、心に不思議な余韻が残るユニークな映画だとは言えるだろう。

 あえて、もう一回観たいとは思わないけど(笑)。

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