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映画評論

映画評論PART11

新感染 ファイナル・エクスプレス   부산행

 

制作:韓国

制作年度:2016

監督:ヨン・サンホ

 

(あらすじ)

 韓国全土でゾンビ・パニック発生。ソウル発プサン行特急列車(KTX)に乗り合わせた乗客たちは、生き抜くために奮闘する。

 

(解説)

 『ゾンビ革命』の項で書いたことだが、ゾンビ映画は社会風刺の色を付けやすいので、国ごとにそれぞれの個性を前面に出して製作すれば、間違いなく面白く出来る。そして今回、韓国がそれをやり遂げてくれた。

 ヨン・サンホ監督はアニメ畑出身の人なので、人物の描き方や演出技法はアニメっぽい。しかし、ゾンビ・パニックという非現実的な内容なのだから、ストーリーテリングにある程度の幼稚さは必要なので、そのバランス感覚が絶妙なのである。『シン・ゴジラ』とは雲泥の差である。やはり、韓国人の方が日本人より頭が良いのだろうか?

 ただし、登場人物の描き方は、過去の成功作品のテンプレートを貼っただけという気がした。具体的には、スティーブン・キングの『ランゴリアーズ』に非常によく似ているのだ。それでも、ゾンビ・パニックの描き方が秀逸で、疾走感が優れているので、むしろ人物造形が類型的だからこそ、観客がストーリーにスムーズに入り込めるのかもしれない。これも、バランス感覚であり、また優れた知性の賜物なのだろう。

 日本も、少しは見習った方が良い。

 もっとも、見事な原題『釜山行き』を『新感染 ファイナル・エクスプレス』に変えてしまった(駄洒落かい。それもレベルの低い)時点で、今の日本の映画関係者に知性を期待するのは無駄という気もするのだが(苦笑)。

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