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第十八章 絶滅収容所

 

映画監督のレニ・リーフェンシュタールは、戦争が始まるとすぐにスイスに行き、山岳映画の撮影に明け暮れる毎日を送っていた。彼女は、戦争にも政治にも関心がなかったので、豊かな中立国の自然の中で、ひたむきに光の美を追いつづけていたのである。

サン・モリッツに滞在する彼女の元に、アメリカからの国際便が届いたのは、1943年の秋もふけた頃だった。

「まあ、懐かしい」

そそくさと封を開けた彼女の目に飛び込んで来たのは、昔なじみのエルンスト・ハンフシュテングルの文字だった。

だが、長文の手紙を読んだ彼女は、ふくよかな唇をへの字に曲げると、低い声でつぶやいた。

「ハンフシュテングルさんは、身も心もアメリカに売り渡してしまったのね・・」

手紙には、ナチスドイツの非道な蛮行について詳細に書かれてあったのだ。ロシア占領地域での虐殺行。フランス、ポーランド、ユーゴなどの占領地域に対する非情な経済的搾取。それには止まらない。国民の眼に触れぬように実施されている身障者やジプシー、ユダヤ人に対する人体実験と大虐殺。ポーランドの過疎地に造られた絶滅収容所では、既に数百万人のユダヤ人が毒殺されたという・・。

アメリカに住む元ナチス報道局長は、亡命先から祖国のために、リベラルな文化人レニの目をさまさせ、ひいては騙されている国民全体の目を開かそうと考えたのだった。しかし、

「アメリカ人の宣伝には引っかからないわ」女監督は、冷ややかにつぶやいた。「あの総統が、そんな無惨な事を許しておくはずがないもの・・」

それでも、とレニは考えた。ここからベルクホーフは遠くない。これを機会に、久しぶりに表敬訪問するのも悪くはないわ。

 

 

久しぶりに訪れるベルクホーフは、すっかり様変わりしていた。

ミュンヘンをはじめ、麓の町並みは空襲によって廃墟と化していた。また、山荘へ続く道筋には屈強な兵士が大勢張り付いて目を光らせているし、山腹の要所要所には巨大な対空砲陣地がいくつも築かれ、周囲を睥睨していた。

唯一の救いは、山上の空気のおいしさと、ババリアアルプスの山並みの美しさが相変わらずであったことである。

豪奢な山荘は、一度も爆撃を受けていないため、無傷であった。とすると、連合軍が市街地と一般市民だけを標的に攻撃しているという宣伝相の言葉は、真実であったのだろう。

山荘の主は、珍客の訪問に大喜びだった。

「良く来てくれましたね」白髪混じりの総統は、自ら旧友を出迎えたのだ。

すっかり、おやつれになったわ。悲しげに頷く彼女。

ヒトラーのサロンは、党官房長官のボルマンを除いて女性ばかりであった。山荘の女主人エヴァ・ブラウンを筆頭に、大勢の秘書たち、それに調理師のエクスナー夫人らが、山籠もりをしている間のヒトラーの歓談相手なのだった。そして、2匹の犬も忘れてはいけない総統の友人だ。

「女性たちは良い。犬たちも素晴らしい」総統は、上機嫌にレニに言った。「彼らは、将軍たちのように無能ではないし、私の期待を裏切らないからね」

「でも」エクスナー夫人が言った。「総統は、私の本当の能力をご存じありませんわ。菜食料理ばかりでは、ウイーンで鳴らした腕前が発揮できませんもの」

「ははは、その腕前はリーフェンシュタールさんに見せてあげればいいのだよ」快活に笑うヒトラー。「この人は昔、我々のために素晴らしい映画をたくさん創ってくれたものだ。戦争が終わったら、もっともっと活躍してもらうのだから、今のうちに栄養を付けてもらわないとね」

恥ずかしげにうつむくレニに向かって、総統はさらに続けた。

「この人は、昔は女優だったのだが、今でも十分に美しい。この人に匹敵するのは、ヘレナ・ハンフシュテングルさんくらいのものだろう」

エヴァが、頬をふくらませ、そっぽを向いた。

「美貌は、アーリア人種の宝、国家と民族の宝なんだ。我々は、それを讃えなければならないのさ」ヒトラーは、そう言って愛人にウインクして見せた。「そういえば君は、また少し太ったかな」

「あなただって」エヴァは、すねたように言った。「近頃は猫背で歩くじゃない。見ていて恥ずかしいわ」

「しかたないよ」ヒトラーは笑った。「私は、全世界をこの背中に負っているんだから、あまりの重荷に潰れもするさ。でも君とは、背丈の釣り合いがとれるようになって、むしろ幸いなのじゃあないかね」

レニは、優しく見つめ合うヒトラーとエヴァの様子を後目に、ハンフシュテングルの名を聞いて頬を硬直させていた。あの人が、海の向こうから言って寄越したことは本当なのだろうか。総統は、確かに年を取って様変わりしている。でも、手紙に書かれてあるような残忍非道な行いをする人物には見えなかった。優しくて気高くて、偉大な人物としか思えなかった。

レニの数日間の滞在中、総統は気さくで陽気だった。幹部の子供たちが遊びに来ると、チョコやケーキをふるまってやり、その喜ぶ顔を見て楽しんだ。彼を取り巻く女性秘書たちも、夫を総統に紹介してもらった者が多く、総統を実の父親のように慕っているようだった。2匹の犬も、独裁者と女主人によく懐いていた。

ただ一度、総統が不機嫌になって怒りだしたことがあった。

ホフマンの長女ヘンリエッテが山荘を訪れ、オランダ旅行の体験談をサロンで開陳した。彼女は偶然、ユダヤ人狩りを目撃したというのだ。

「アムステルダムで、大勢の女たちが、ダビデの星のワッペンを胸に付け、大勢のSSに追い立てられてトラックに載せられているのを目撃しましたわ。きっと東部の収容所に送られていくのでしょうね。彼女たちは、可哀想なことに、不安に怯えていたわ。SSたちの乱暴な所行も、そりゃあひどいもので、もう少し紳士的になれないものかと心底思いましたわ」

総統は、突然立ち上がった。

「その話が、君になんの関わりがあるのだっ」ヒトラーは、真っ赤に紅潮した頬を震わせ、口角泡を飛ばした。「あなたはセンチメンタリストだ。この国家の非常時に、つまらない感傷を持つなんてドイツ国民の恥だ・・」

ヘンリエッテは、最後まで聞いていなかった。恐怖に震えながら部屋を飛び出したからである。

いつもは慈父のように優しい総統の顔は、今や怒りに震える悪鬼のようだった。

総統は、何かを隠している。レニは思った。この人は、サロンでは決して見せない別の顔を、心の奥深くに隠しているのだ。いったい、それはどんな顔なのだろう。帰りの汽車の中で、女流監督はハンフシュテングルの手紙のことを繰り返し考えた。ひょっとすると、いや、まさか・・・。

 

 

弁護士のコンラート・モルゲンは、34歳の硬骨漢だった。彼は、判事補の時代から厳密な証拠に頼る鋭い判決をくだしていたので、その司法界における名声は、他に並びがないほどに高かった。

そして、今やSD経済犯罪部に勤務する彼は、一つの重大な使命をおのれに課していた。

「強制収容所では、驚くべき犯罪が行われている。所長や看守たちの、囚人に対する虐待や経済的搾取は、決して許すことのできない犯罪行為だ。俺は、その全てを明るみに出してやる」

強制収容所には、労働、集結、通過、戦争捕虜の四種類がある。モルゲンが密かに目を付けたのは、主として政治犯を収監しているブッヘンヴァルト労働強制収容所であった。ここの所長コッホは、明らかに労働力や食料を民間に横流しし、不正な利得を得ているのだが、誰も証明することができないでいた。

「おかしい、証言者が一人もいないとは、いったいどういうことだろう」

調査を開始した敏腕弁護士は、犯罪の情報を握っていると思われる囚人が、収容所内で定期的に死亡している事実を突き止めた。間違いない、彼らは口封じに殺されたのだ。しかし、どうやってその証拠を掴むか。

意を決したモルゲンは、ヒトラーの命令と偽ってワイマール銀行に乗り込み、コッホ所長の口座を強制査察した。そして、多額の経路不明入金を発見したのである。これで、収容所内の強制捜査の口実ができた。

1943年秋、収容所内の殺人事実を突き止めたモルゲンは、供述書でいっぱいになったカバンを抱えてベルリン駅に降り立った。しかし、彼の上司たちやSS法務局長は狼狽した。彼らは、モルゲンがこれほどの活躍をするとは思っていなかったのだ。彼らは、保身のために責任をとることを拒絶したので、弁護士はヒムラーの所に直接乗り込むしかなかった。

「よくやってくれた」ヒムラーは、意外なことに、大いに喜んだ。律儀で誠実なSS長官は、収容所内の経済犯罪を放置するつもりはなかったので、即座にコッホとその一党を罷免したのであった。

しかし弁護士は、調査の過程で様々なブラックボックスに突き当たっており、うさんくささに気付かないわけにはいかなかった。

「収容所のシステムの中には、何かもっと恐ろしい犯罪が隠されているに違いない。そして、ヒムラーは、それを知っていてやらせているのだ。俺の上司たちのあの弱腰は、そう考えなければ説明がつかない・・」

彼は、パンドラの箱をこじ開ける決心をした。正義を求める彼の心は、自己の保身を関心の外に放り出したのだ。

調査を進めるモルゲンは、やがて奇妙なことに気付いた。

「ユダヤ人は、どこに消えたのだろう。ゲットーから集結収容所、通過収容所へと移送されるのは分かる。それから先、一部は労働収容所に移されているようだが、その他の大多数の行方が分からない・・」

ポーランド国内を視察して回った彼は、一般には公表されていないもう一種類の収容所があることを知った。

絶滅強制収容所。すなわち殺人工場である。

 

 

モルゲンは、SS長官の使者と偽り、絶滅収容所を統括するクリスチャン・ヴィルトに会いに行った。ヴィルトは、ポーランドのルブリン地区にある四つの絶滅収容所、すなわちマイダネック、トレブリンカ、ソビホル、ベルゼックを建設した陽気で快活な男であった。この饒舌な好人物は、弁護士に対して包み隠さず全てを話した。得意げに。

「嘘でしょう」モルゲンは、蒼白な顔を所長に向けた。

「嘘なものですか」ヴィルトは、満面の笑顔で応えた。「既に我々は、5百万人のユダヤを処理しました。研究に研究を重ね、その能率は、日増しに向上する一方です。ここより少し離れたアウシュビッツでは、チクロンBという最新の毒ガスを用いて、一ヶ月に一万人を処理しているそうですぞ。これぞ、我がナチスドイツの科学力の神髄を表彰する成果と言えましょうか」

「アウシュビッツ・・」モルゲンは、からからに乾いた喉から声を振り出した。「もし良ければ、訪問できるよう口利きしてもらえますか」

「構いませんとも」ヴィルトは、力強く頷いた。「代わりと言っては何ですが、SS長官によろしくお伝え下さいね」

1944年の正月、大勢の部下を従えたモルゲンは、肩を怒らせてアウシュビッツ絶滅収容所に現れた。小さな田舎町からだいぶ離れた荒れ地の真ん中に、それは立っていた。大きな施設だ。入り口には「労働こそ自由への道」と大書してある。この看板で、哀れな犠牲者たちを騙すのだ。しかし、有刺鉄線が幾重にも巻かれてある高い塀の中からは、まがう事なき死の臭いが一面に立ちこめてくる。ここに移送された犠牲者たちは、自分たちを待ち受ける運命を、直感的に悟ったに違いない。彼らの心境は、いかばかりだったろう。

弁護士一行を出迎えた所長のヘースは、作り笑いを浮かべながらシステムの説明を始めた。

「最初に、検疫と称して服を脱がせ所持品を没収します。次に、男女別に長い行列を作らせて、浴室そっくりに築いた処刑場に誘導するのです。そして、シャワーから溢れだした毒ガスによって、彼らはめでたく駆除されるという次第です。死体の処理が面倒ですが、このシステムだと、手を下す所員の良心を痛めずにすむのですよ。いやあ、最初は大変でしたよ。銃殺させたら、銃を取る所員たちがたちまちノイローゼになってしまうし、自動車のガスだと死ぬまでに時間がかかって却って手間取るし、今はすっかり良くなりまして、隔世の感がありますな。えっ、死体の処理ですか、うちには優秀な竈が数十基ありますからね、あっという間に灰にしてくれますよ」

終わりまで聞かずに歩き出したモルゲンは、収容所内に設けられた大小さまざまな倉庫で、膨大な量の衣類や貴金属、金歯や髪の毛を発見した。少なくとも、数千人分のものだ・・。ガス室や竈も見た。ここは、死臭でいっぱいだった。

「貴金属や金歯は、溶かして通貨にしたり軍需工場に送ったりするのです。髪の毛は、Uボート乗組員たちのスリッパになります。我々も、こうして国のために貢献しているというわけです」

饒舌にしゃべりまくる所長を見たモルゲンの頬はやつれ、十年分一気に年を取ったように見えた。そして今や、彼は信じざるを得なかった。祖国が行っている前人未踏の犯罪行為を。

ベルリンに戻ったモルゲンは、ヒムラーの所へ怒鳴り込んだ。彼の胸中には、深い怒りと悲しみが渦巻いていた。長官は、ドイツ民族の誇りを壊している。いや、人類の誇りを冒涜しているのだ。やめさせなければ、今すぐ、この愚挙をやめさせなければならない。

しかし、彼はヒムラーに会うことができなかった。モルゲンの剣幕を知ったSS長官が、官僚機構の掟を武器にして面会を断り続けたからである。

「逃げるのか」ヒムラーの執務室の前で、モルゲンは怒鳴った。「俺は戦うぞ、死ぬまで戦うぞ。この犯罪を、何としても止めさせてみせるからな」

モルゲンの活躍は、めざましかった。彼は、国家公認の殺人工場システムを弾劾することはできなかったが、携わる人間を告発することで、多くのユダヤ人の命を救ったのである。彼は、約八百件の汚職と殺人を摘発し、うち二百件に有罪判決をくだした。その結果、コッホは銃殺刑となり、ヴィルトはイタリア戦線に左遷され戦死した。それに止まらない。ルブリン地区の四つの絶滅収容所は、1944年の初春までに閉鎖に追い込まれたのである。

「次は、アウシュビッツだ」

警察犬判事の眼光は、鋭さを増した。

彼は、脅迫や妨害には決して屈しなかった。

アウシュビッツの閉鎖は、ソ連軍の接近を直接の契機として実施されたのだが、モルゲンの執拗な追及も、その時期を早める効果を発揮したのである。

狂気の第三帝国内で、このような純粋な正義が貫かれたという事実は、我々を安堵させる。

 

 

ヒトラーは、モルゲンの活動を複雑な心境で見つめていた。

彼は、ユダヤ人の絶滅政策を必要悪だと考えていたので、その遂行には疑問を感じていなかった。しかし、収容所内の経済的搾取とそれに伴う虐待や殺人は許す気になれなかったので、これを容赦なく摘発する弁護士の力量には、尊敬の気持ちを抱いていた。

「私の将軍たちも、あれくらい優秀なら良かったのに・・」

戦況は、少しも良くならなかった。東部戦線でもイタリア戦線でも、彼の軍隊は後退につぐ後退を続けている。日本軍も同様だ。

戦争は、負けかもしれない。

「だが私は」独裁者は夢想した。「欧州からユダヤというガン細胞を摘出した英雄として、永遠に語り継がれることとなろう。歴史は、この私を褒め称えることだろう・・」

「失礼します」踵を鳴らして執務室に入ってきたのはボルマンだった。党官房長官の彼は、常に総統の傍らに侍る特権を利用して、今や絶大な権勢を手に入れていた。

「どうした」

「総統の側近の出自について、新事実が発見されました」

「誰のことだ」

「料理人のエクスナー夫人です。この戸籍謄本をご覧下さい」

「・・」

「どうですか、総統。彼女は、四分の一はユダヤなのです。そんな者をお側に付けたのは、全く私の失態でした。申し訳ありません。さっそく解雇しましょう」

「・・それで、どうする」

「もちろん収容所に」

「そんな事は、断じて許さぬ」

「えっ・・」

「出て行け、今すぐに」

ヒトラーは、腕を振り上げた。ボルマンは、鼻と踵を鳴らして足早に部屋から出ていった。

ヒトラーは、しばらく沈思してからエクスナー夫人を呼んだ。

「・・ボルマンに、知られてしまった」

「残念ですわ・・」彼女は、身震いを抑えて眼を閉じた。

「あなたの料理は素晴らしかった。私の健康が、一時的にも回復したのは、全てあなたのお陰だった」

「そんな、もったいない」

「安心したまえ、あなたには指一本触れさせはしない。あなたとその家族には、名誉アーリア人種の称号を与える。これならウイーンで、もとのように暮らしていける」

「ありがとうございます」夫人は、深々と頭を下げた。

去りゆく彼女の背中を眺めながら、ヒトラーは低く呟いた。

「ユダヤの中にも、あのような人物が大勢いることだろう。だが、勇気を持たねばならぬ。人類の未来のために、悪性腫瘍は、今の内に切除しなければならない。私は、崇高な使命のために戦っているのだ。意志を強く持たねばならぬ」

 

 

その瞬間にも、ポーランドの絶滅収容所では多くのユダヤ人が虫けらのように殺されていた。

裸にむかれ、番号で識別されるやせ衰えた彼らの中には、コルチャック先生のような高潔な教師も大勢いただろうし、アンネ・フランクのような純真多感な少女も大勢いただろう。未来に夢を持つ子供たち、人生経験豊かな老人たちも大勢いただろう。子を思う親、親を慕う子、妻をいたわる夫、夫にすがる妻も大勢いたことだろう。しかし、今や何の意味もない。みんな人間としての尊厳を奪われ、殺されるためだけの行進を強制されていた。みんな、死ぬためだけに存在を許されていたのだ。

人類史上、特に欧州の歴史上、組織的な虐殺は枚挙にいとまがない。しかし、ナチスのものほど徹底的な虐殺は、他に類例を見ない。ヒトラーのカリスマ性とナチスのドグマは、謹直を美徳とするドイツ人の心性に深く食い入っていた。多くのドイツ人は、非道な虐殺行為を、疑問を持たずに遂行したのである。

狩猟民族は、死を身近に感じ、死に慣れやすいと言われる。敵に対して、とことん残酷になれる。弱者に対して、とことん酷薄になれる。ナチスは、そんな狩猟民族の本能を、最大限に開花させた集団なのだった。

しかし、その狂気の炎は、誰もが深層心理の奥に隠している。だからこそ我々はナチスを恐れるのだ。だからこそ、歴史を直視することを恐れるのだ。