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世界旅行記

第4次チェコ旅行記

5月4日(月曜日)~帰国


 

(1)朝の散歩

(2)空港へ

(3)チェコの消費税事情

(4)ビールとグヤーシュ

(5)ドバイ空港~帰国


 

 

(1)朝の散歩

 

 飛行機は夕方発なので、割合と朝はのんびりできる。

 それなのに、朝7時から散歩に出かける俺は、ある意味で心に余裕が無い奴なのかもね。

 今日は、マラーストラナ地区を南に下ってみることにする。アンジェルの開店準備中のスーパーを物色したり、スタロプラウメンのビール工場を外から見学したり。

 

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 マラーストラナ地区の南端からヴルタヴァの川辺に出ると、13年前に加賀谷くんと一緒に渡った鉄道橋が健在だった。あのときは、木造の遊歩道が老朽化して怖かったのだが、最近になって大改装が行われたようで、かなりしっかりした鉄筋の橋に入れ替わっていた。そこで、ジョギングランナーに交じって、橋を東に渡ってみる。

 橋を歩きつつ東岸に目をやると、そこは懐かしきヴィシェフラト(高い城)だ。今回の旅行では行かないつもりだったのだが、微妙に心が揺れる。

 橋を渡り終えてから、周囲をウロウロしつつ高名なキュービズム建築群を見学しつつ歩いているうちに、城壁を抜けて北東口から城内に入ってしまった。ヴィシェフラトの磁力、恐るべし!(苦笑)

 

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 恒例のスラヴィーン墓地の墓参りをしようと思ったけれど、開場は8:30からだった。開場までの後30分待とうかどうしようか悩みつつ、城内を歩き回っているうちに雨が降ってきた。こんなこともあろうかと思って傘を持ってきたので濡れる心配はないのだが、微妙に士気が下がったので、墓参りは諦めて、いつもの西側の石階段を下りて城を出ることにした。

 その途中、丸々と太った立派なカタツムリを見た。なんというか、こんな美しい姿形のカタツムリは、日本では見たことが無い。チェコは、このレベルの生き物まで、日本よりハイレベルということなのだろうか?なぜか、嬉しくなってしまった。

 

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 その後、ヴルタヴァ川東岸をのんびり歩きつつ、北上して旧市街を目指した。雨が次第に止んできたのは、日ごろの行いが良いせいだろうか?

 パラツキー橋の手前で、セグウェイの販売店を見つけた。まだ開店前だったので品物は実見できなかったけど、プラハでは、街の中で普通にセグウェイを売っているんだな。東京とは大違いである。主要顧客は、おそらく外国人目当ての観光業者なんだろうけれど。

 途中、スラヴ島に入ったり、16年ぶりに射撃島に遊びに行ったりしたものの、お目当ての水鳥は見当たらなかった。彼らは季節ものだから、この時期はヴルタヴァ川にいないのかもしれないな。水鳥と遊ぶのが大好きな俺としては、残念である。

 こうして、旧市街広場にやって来た。今日は珍しく、何のイベントも無いみたいで閑散としている。と思ったら、小さな戦車が広場の西側中央に置いてあるぞ。もしやと思って近づいたところ、それはチェコ国旗をペインティングされた「ヘッツアー(駆逐戦車38(t))」だった。

 

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 萌え~!!

 触りまくろうと思ったけど、警官2名が近くで目を光らせているので無理だった。

 なんでこんなところにヘッツアー戦車が置いてあるのかと言えば、おそらく5月7日の戦勝記念日が近いせいだろう。この子は、イベント用のオブジェとして使われる予定なのではないだろうか?

 ヘッツアーは、以前にも説明したけれど、もともとチェコスロヴァキア陸軍が開発した38(t)軽戦車を、この国を無血占領したナチスが接収した上で、大幅に改造したものである。やがて1945年5月の一斉蜂起に際して、プラハ市民がプラハの工場でこいつを奪回(?)したのだ。俺は、ドイツ国旗をチェコ国旗に塗り替えたヘッツアーを写真で観たことがあるのだが、おそらくその実物が、この広場にある奴なのだろう。すなわち、歴史の貴重な生き証人なのである。

 ともあれ、最後に本物のヘッツアーに会えて気分は最高である。ヤン・フス師匠のピカピカの銅像にもしっかり挨拶出来たので、もはや思い残すことはない。

 マーネス橋を西に越えて、マラーストラナ駅でトラムを待ったのだが、12番がなかなか来ないので、22番トラムに乗った。しかし、こいつはアンジェルまで行かないので、ペトシーン丘のケーブルカー駅の前で降りて、後はホテルまでブラブラ歩くことにした。途中で、後ろから来たトラムに轢かれそうになりつつも(苦笑)、なんとかホテルに帰り着いた。

 腹が減ったので、2日前にTESCOで買っておいたポテチや、往路で入手した機内食(非常用に取っておいた)を部屋で食べた。寂しい朝飯だぜ。

 やはり、最初から朝飯バイキング付きの旅行プランにするべきだったな。それだけが、今回の大失敗である。

 

2)空港へ

 

 さて、次のプランはどうするか?

 まだ午前10時だが、もたもたしているとチェックアウトの時間が来てしまう。仕方ないので、先にチェックアウトを済ませてから、重い荷物を抱えてどこかに行くべきか。どうせなら、カンパ島の「カフカ博物館」に行きたいな。あるいは、もう一度「スラヴ叙事詩」を見に行くか?でも、今日は月曜だから、博物館や美術館は閉館日だろうな。

 結局、早めに空港に行って時間を潰すことにした。

 チェックアウトを目くら判で済ませてから、地下鉄で往路と同じ経路を伝ってヴェレスラヴィン駅に出る。そこから、いつもの空港行きバスを使えば、あっという間に空港だ。

 降車直前のバスのアナウンスが、「シェンゲン条約国の飛行機は第1ターミナル、それ以外の国の飛行機は第2ターミナルをご利用ください」って、随分と大雑把だな。周囲の乗客は、その程度の情報でみんな分かるのだろうか?っていうか、エミレーツ航空のUAEって、シェンゲン条約に加盟していたっけ?そんなこと、考えたことも無かったぞ。

 まあ、プラハ空港は小さいので、第1ターミナルと第2ターミナルは歩いて簡単に行き来できるから、何の問題も無いのだったが。

 構内に入り、エミレーツが第1ターミナル発着であることを空港掲示板で確認してから、空港内の土産屋を物色する。手持ちコルナを、ここで使い切る必要があるからだ。そこで、絵葉書などを買いあさった。

 それにしても、今回の旅行では、最初に両替した2万円だけでほとんどの旅程を消化してしまったぞ。カード払いしたのは、お土産代とコンサート代くらいのものだった。すなわち、アメリカ、オーストラリア、あるいは西欧諸国に行くよりも、遥かに安い滞在費だった。それでこんなに楽しいのだから、まさにチェコは穴場中の穴場だね。

 

(3)チェコの消費税事情

 

 いろいろと買い物をして、レシートなどを見ているうちに気付いたのだが、チェコは消費税(正確にはVAT)に軽減税率を用いている。

 税率は4段階あって、0%、10%、15%、21%である。

 どうやら、生活必需品が0%、書籍が10%、贅沢品が21%、それ以外が15%であるらしい。ただし、後にチェコ人の知り合いに聞いたところ、0%というのは、実際には一部の子供向けの商品サービス以外には適用されないらしい。それでも、書籍が軽減税率10%というところに、文化国家チェコの意地が感じられて興味深い。

 税率が4段階もあると運用が難しそうだが、チェコでは全てのレジに共通規格の計算ソフトを入れて、一律に機械計算しているようである。もちろん、そういうやり方を用いないと、計算ミスや不正がはびこることだろう。

 不便を感じたのは、チェコの店舗では、商品価格は外税表示が当たり前なのである。つまり、値札に消費税が乗っかっていないので、最終的な支払いのときに、単純合計よりも税額分だけ高くなる。税率が4段階だから、日本のように一律8%を載せて単純計算で試算するわけにもいかない。それも、最終日には慣れたのだったが。

 日本でも、公明党を中心に軽減税率の議論が盛んだけど、どこまで具体的に考えているのだろうか?たぶん無理だろうけど(スーパーのレジさえ全自動に出来ないレベルだし)、本気で導入するのであれば、チェコのやり方を少しは参考にするべきであろう。

 

(4)ビールとグヤーシュ

 

 さて、そろそろお昼なので、レストランを探すとしよう。

 空港内をウロウロした挙句、第2ターミナルにある「FOLLOW ME」という名のカフェに入ることにした。目当てはもちろん、これで飲み納めのチェコビール(ピルスナーウルケル)である。ついでに、グヤーシュ(チェコ風ビーフシチュー)にプレッチェルを付けて貰った。

 

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 ちなみに、この手のお店は、消費税率21%である(泣)。

 店はなかなか混んでいたのだが、店員さんの数が足りていないため、注文から品が届くまで時間がかかった。まあ、15:45発の飛行機まで、時間はたっぷりあるから問題無いのだったが。

 店員の青年が恐縮して、俺のテーブルに来るたびに「遅くなって、ごめん、ごめん」と謝るのが印象的だった。これは、日本人の感覚では当たり前のことかもしれないが、白人世界では珍しいのである。チェコ人は、日本人によく似た気質なので、割合と周囲に気を遣ってすぐに謝る傾向がある。

 この店には大型液晶スクリーンが置いてあって、なぜか80年代の英米系MTVが流れていた。昔懐かしい名曲のビデオクリップを、大画面で観られるのは最高だ。しかも、ニック・カーショウの「Wouldn’t it be good」とか、ピンポイントで俺の心の琴線を突いてきやがる。我ながら、良い店を選んだものだ。

 そういうわけで、ビールを2杯飲んで、カプチーノまで頼んで、かなり長居をしてしまった。

 手持ちコルナはゼロなので、お会計はカード払いしたのだが(2,000円程度だった)、その際に店員の青年に漢字のサインをアピールしたところ、「うおおー、なんだ、こりゃあ!」と、期待通りのナイスリアクションを見せてくれた。

 偉い、偉い!

 

(5)ドバイ空港~帰国

 

 やがて時間になったので、エミレーツ航空の受付に行って、重くなったボストンバックを預かって貰った。受付のチェコ人のお姉さんは、物凄い美人である。4年前にも思ったことだが、チェコ人は空港の受付に美人を集める性向があるらしい(笑)。

 身軽になって飛行機に乗り、定刻通り23:30にドバイに着いた。真夜中だったけど、土産屋でトルコ風のお菓子をいくつか買い込んで、素直に2:50発成田行きの飛行機に乗った。

 機内では、基本的にはずっと音楽を聴いていたのだが、気まぐれで映画「バードマン」を観た。悪くない映画だったけど、あんなに騒がれる理由はよく分からなかった。

 こうして、夕方17:30に成田空港に到着した。その後は、特筆することもなく、成田エクスプレスで帰宅した。

 今回の旅行の目的は、あくまでも「スラヴ叙事詩」の鑑賞と「ハヴェル伝」の入手であったのだが、その目的はチェコ到着後、あっという間に達成されてしまった。そのため、後半がやや緊張感にかける旅行記になってしまった感は否めない。

 今回も、面白いトラブルがほとんど無かったし。

 とりあえず、過去に断念したクトナー・ホラとテレジーンに行けたのは良かったけど。

 次回こそ、もっと面白い旅行記が書けるように頑張ります!(笑)

 

おわり

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