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9月24日(土曜日) ロンドン経由で帰国


(1)プラハ空港へ

(2)ロンドンで友人と再会

(3)帰国

 


 (1)プラハ空港へ

帰国の日だ。

実質的に、わずか1日しかプラハにいなかったのだね。こんなことなら、ベルリンとドレスデンの滞在日数を減らすべきだった。チェコには、もう数日いたかったな。

さて、ロンドン行きの飛行機は8:15発なので、7時過ぎにはプラハ空港にチェックインしなければならぬ。

朝5時起きしたので、ホテルの朝飯バイキングは当然やっていない。だけど、旅行会社の配慮で、ホテルの受付で「お弁当」を渡してくれるサービスがあったので、チェックアウトのついでに遠慮なく受け取った。さらに受付の姉ちゃんに、「このホテルはプロコプ・グループと名乗っているけど、このプロコプの由来って、単なる街路の地名?それとも歴史上の英雄の名前?」と尋ねたのだが、姉ちゃんはグループ会社の概要を紋切調子で説明するだけだった。「知らない」ということなのか、俺の訊き方が悪かったのかは謎だ。もっとも、答えが聞けたからといって、どうなるという話でもない。

重くなったボストンバックを抱え、ヴィトコフ丘と頭上のヤン・ジシュカ像にお別れの挨拶をしつつ、早朝すぎて真っ暗のフス通りを、プラハ主要駅に向かって歩いた。

それから主要駅で1回券を自販機で買い、そのまま地下鉄B線に乗り込んで、国民博物館駅でA線に乗り換えて、北郊のディビッチェまで移動した。ここから空港行きバスに乗るのが、プラハ・ルジェニ空港までのもっとも安価で早い移動方法なのである。

ディビッチェ駅に来るのは、これで延べ5回目なのだが(前2回の旅行では、ここを往復したので)、駅構内がリニューアルされてすっかり奇麗になっていたので驚いた。

こんな早朝でも意外と人が多いのは、俺と同様に空港を目指す旅人たちのせいだろう。そういうわけで、ディビッチェからの空港行き119番バスは、なかなか混んでいた。でも、窓外の景色は本当に懐かしい。牧歌的なシャールカの森が広がる風情は、昔と少しも変わらないな。この付近でハイキングとかしたら、本当に楽しそうだ。

airport

ルジェニ空港には7時前に着いたので、しばらく空港内を懐かしげに散策しつつ(ここの構内は、9年前とあまり変わっていなかった)、航空券のチェックインをしに行った。受付のお姉さんは、女優みたいな超美人である。その美貌に見とれていると、手続きを終えたお姉ちゃんは、俺からボストンバックを受け取りつつ、バチンとウインクを投げてくれた。

久しぶりに、年甲斐もなく胸がドキドキしちゃったよー!あのウインク、何だったんだろう?いずれにせよ、チェコ萌えーである。

しかし、ぼーっとして、うっかりしたのだが、ホテルでもらったお弁当をボストンバックに入れたままだった。つまり、ウインク美女が、そのままベルトコンベアーに積んで荷物室へ。あーん、俺の朝飯!でも、昨日のサンドイッチの食べ残しを朝の起きぬけに食べたので、腹具合は特に問題 無いのだった。なお、このお弁当(ハムを挟んだパンとリンゴ丸ごと一個が入ったパワフルな中身だった)は、帰国してからしっかり食べたので、無駄にはなっていない。

その後、付近のお洒落なカフェでコーヒーを飲んで時間を潰した。チェコは、コーヒーもかなり美味いのだ、そして、これで手持ちのコルナ貨幣はほぼゼロである。

手荷物検査を済ませてBAの発着場まで移動する途中、お洒落なお土産屋さんを見かけたので入ってみる。棚に並んだプラハの絵の入った品々が、なかなか心を揺らしてくれる。そこで、タバコを吸う友人用の灰皿と、マグカップ1個をカードで買うことにした。

レジのお姉さんは、俺が書いたサイン(カード払いだから)を見て、いきなり「Amazing!」と叫び出した。何事が起きたかと思えば、何のことはない。俺の名前の文字(つまり漢字)が面白かったらしいのだ。「どうしたら、こんな難しい字が書けるの?まるで魔法を見ているようだわ!」などと大袈裟なことを言うので、「東洋人なら、みんな書けますよ」と応えておいた。しかし、チェコ人の店員さんは、みんな気さくで愛想がいいよな。

ここで、ドイツの店員さんの接客姿勢を思い返してみたのだが、あまり印象に残っていない。その理由は、「日本とまったく一緒」のせいだろう。ポーランドほど無愛想なわけでもなく、チェコほど気さくなわけでもなく、「相手が不愉快にならない程度に、必要な仕事だけをする」という距離感の取り方なのだ。いろいろな意味で、日本とドイツは良く似ているよな。ある意味、ここまで似ていると感心である。

さて、飛行機は定刻通りの出発だ。さらばチェコ、さらばプラハ、また会う日まで。

 

(2)ロンドンで友人と再会

ロンドンのヒースロー空港には9:25に到着した(時差1時間)。さて、ここで友人ikukoと会うために一時出国しなければならない。

旅行出発前にikukoとメールで話したことには、「ロンドンは暴動があったせいで警戒が厳しい。Nobu(俺)は見るからに怪しいので、出国審査に2時間以上かかるはず」とか真面目に言ってきおった(汗)。

そういうわけで、待ち合わせ時間を11時に設定していたのだが、おいおい、5分で空港の外に出られたぞ!もっとも、出国審査の姉ちゃんに「3時間、外に出るだけ」と出国理由を説明したところ、思いっきり呆れられてしまったのだがな。

ともあれ、こんなに簡単に出られるとは、俺も拍子抜けである。しょうがないので、ikuko(まだロンドン市内の自宅の近所にいた)に携帯で何度も電話を入れて、早くこっちに来るように促した。すると、第4ターミナルまで移動しろと言うので、無料のシャトル特急に乗って指示通りにした。

london express

ikukoがそういう指示をした理由は、日本行きのBAは、第4ターミナルから出るのが一般的だからである。だけど、ここの構内の掲示板を見ても、俺が乗るはずの飛行機が見当たらない。心配になって案内ブースの黒人姉ちゃんに聞いたところ、ひょうきんなその姉ちゃんは、「あなたの乗る飛行機が出るのはねー!・・・5!」と、クイズ番組調で応えてくれた(笑)。やっぱりなあ。そういえば、往路の成田発BAも、第5ターミナルに着いたもんなあ。

さて、遅れて登場のikukoと、久し振りの交歓である。だけど結局、落ち合った時刻は早10時半である。俺の飛行機が第5ターミナルから13:25発だと説明すると、能天気な彼女は「ロンドン観光に行こうよ。案内するから」と言って来た。・・・市内への往復だけで2時間かかるというのに?

それでも、シャトル特急(ロンドン市内までは有料)の切符を買いかけた俺も、かなりの能天気である。ただし俺は、ポンドの持ち合わせがないので、カードで切符を買おうと試みたのだが、なぜか券売機の端末が読み取ってくれなかった。まあいいか、片道3,000円もするし、時間は無いし(苦笑)。

それで結局、第5ターミナルまで電車で移動して、そこでランチすることになった。

構内のパスタ屋で、パスタのセットを食べつつ、赤ワインを飲みつつ、四方山話の花を咲かせた。俺の旅行土産について、ikukoにいくつか見せて好きなものを選ばせたところ、彼女は俺がプラハ空港で買ったばかりのマグカップを選んだ。そして、ここのご飯代も彼女がもってくれたので、持つべきものは良き友人ということであろう。

「次回は、ロンドン市内で会おう!」と言い合って別れた。

 

(3)帰国

さて、帰路の飛行機の座席は準ビジネスクラス(Premium  Economy)とのことだったので、実は非常に楽しみだった。ところが、蓋を開けてみたら大したことはない。エコノミーの座席をほんの少し大きくして、機材のレベルを多少良くしてくれただけじゃん。

でも、ヘッドホン・スピーカーの性能が向上していたのはナイスである。そこで、帰りの飛行機の中では、クラシックや洋楽ロックを中心に据えて楽しんだ。Queenの「Sheer  heart attack」とかDavid   Bowieの「Station  to station」とか、改めて良音で聴くと本当に名作だよなあ。Pink  Floydの「The  Wall」も、深いよなあ。

映画は、「世界侵略:ロサンゼルス決戦」を見た。これはアメリカ海兵隊が、ロサンゼルスの街中でエイリアンと戦う話である。なんで、「海兵隊」なのに大都市で陸戦しまくりなんだ?っていうか、はるばる宇宙を越えて地球侵略に来た宇宙人が、なんで携帯火器を抱えた歩兵を繰り出して、海兵隊とチマチマした白兵戦をやるんだよ?人類に卓越しているはずの科学力が、まったく無駄じゃんか。もっとも、それを言い出したら、映画そのものが成立しなくなってしまうわけだが。まあ、個人的にミッシェル・ロドリゲスたんのファンなので、彼女の活躍があったから許してあげよう。

海兵隊といえば、最近、スピルバーグ製作の「The  Pacific」というテレビシリーズをDVDで見たのだが、こっちでもひたすら海兵隊が活躍していた。最近、アメリカのメディアに海兵隊が出まくりなのは、何か政治的な理由でもあるに違いない。議会で、海兵隊の予算を増やすための伏線だろうか?近い将来、イラン領の島嶼に大規模な強襲上陸をかけるプランがあるとか?(汗)

・・・いずれにせよ、最近のアメリカ映画は詰まらないねえ。劣化したよねえ。

こうして、翌日の朝9:05分に成田に到着した。

今回の旅行は、全てが順風満帆すぎて、逆に面白みがなかった。少しくらいトラブルがあった方が、旅行記も面白いものが書けるんだけどなあ。

次回は、もっとトラブルの多い旅行になるように、頑張ります(?)!

それでも、ドイツではいろいろと感心することがあった。日本とよく似た国なので、なおさら感じる部分も多かった。

中でも「ここは、日本も見習うべきだ」と感じたのは、国内の様々な案内表示などだ。ドイツでは、ほとんどの案内表示がイラストなどで視覚化されている。これは、ドイツ語が分からない人が大勢訪れる国情を考慮してそうしているのだろう。そういうわけで、俺は実際に、ドイツ滞在中に言葉の不便さを感じた局面がほとんど無かった。

日本も「観光立国」を本気で考えるのならば、ここまでやるべきだろう。特に、日本の鉄道(特に東京の地下鉄)や道路は、他国に比べて物凄く分かりにくいのだから、ドイツ以上に外国人向けのホスピタリティーを強化するべきだと痛感した。

日本人は、どこか傲慢なところがあって、個々人はともかく、国や企業レベルでは外国人を疎かにしているように思う。だけど、これからますますグローバル化が進むのだから、そういった「井の中の蛙」的な態度は、改めた方が良いと強く思うのであった。

きっと他にも、ドイツから学べる部分は多いことだろう。そういう実感を得られただけでも、今回の旅行は有意義であった。

なんちゃって。本音では、「チェコだけに行けば良かった!ドイツは無駄だった!」と言いたいんだけどね。自分の失敗を素直に認めたくないから、そうやって言い訳しているだけなのじゃ。文句あるか?(笑)

しかし、チェコは俺の心の故郷だね。きっと、先祖がチェコ人だったに違いない。近いうちに、また遊びに行きたいものだ。

 

 

おわり