歴史ぱびりよん > 映画評論 > 映画評論 PART5 > チェ 39歳別れの手紙 Che PartⅡ
制作;アメリカ、フランス、スペイン
制作年度;2009年
監督;スティーブン・ソダーバーク
チェ・ゲバラの著作「ボリビア日記」のダイジェスト版。
事前に想定していた中で、最悪の内容でした。
「ボリビア日記」のぶつ切りで、しかも、ナレーションがほとんど無いので、予備知識が無い人には、さっぱり内容が分からないと思います。 あえて言えば、「頭のおかしなオジサンたちが、ボリビアの山の中で軍服を着て群れているところを、軍隊に襲われてやられちゃう話」(笑)。 主演のベニチオにカリスマ性が欠けていることもあって、ただただ、惨めで暗い映画でした。一緒に見た友人は、まさにそういう感想を持ったようです。
これじゃ、連合赤軍の「あさま山荘」や「よど号ハイジャック」と同レベルじゃん。
でも、本当にそうなら、チェ・ゲバラがこれほど有名な人気者になったはずが無いのだから、やっぱり映画の作り方が完全に間違っているとしか考えようがない。
時代背景とかゲバラの思想とか、バックボーンの説明を何らかの形で劇中に入れるべきでしたね。それが抜けているから、ゲバラの最期が単なる犬死にしか見えないのです。 どうも、この映画製作者の真の意図は、「ゲバラを貶めること」にあったのではないかと勘繰ってしまいました。
だいたい、演出も編集も下手くそです。考えてみたら、ソダーバーク監督は、自分がスペイン語が出来ないくせに、全編スペイン語で撮っています。これでは、まともな演出が出来るわけがないので、もしかすると最初から真面目にやる気が無かったのかな? 友人のベニチオに引きずられて、嫌々ながら撮った映画なのかもね。
そんなのに付き合わされて、まったく時間とカネの無駄でした。