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8月10日木曜日 ハイドパーク、自然史博物館、ハロッズ、ピカデリーサーカス

今日は、ハイドパークから自然史博物館を観て、それからナイツブリッジを散策してハロッズデパート、最後にピカデリーサーカスに行く予定である。 いつもどおり朝食を済ませると、歩いてホテルを出た。

観光地図によれば、ホテルがあるパティントンからハイドパークまでは、歩いて行ける距離なのだ。 早朝の朝の空気がこの上なく気持ちよい。ロンドンは雨が多いはずなのだが、我々が滞在していた足掛け6日間は、ずっと好天に恵まれていた。きっと、日ごろの行いが良いせいだろう(笑)。

やがて、広大なハイドパークの北辺に到着した。手近な入り口から中に入って散策を開始。ここは、大都会の真ん中とは思えないほど緑の多い静謐な空間だ。なにしろ、リスが走り回っているんだぜ。東京には、こんな素晴らしい場所は一つもない。日本人は、自分たちでは気づいていないけど、実はとても不幸な民族に違いないと思った。

あちこち散歩して、有名なピーター・パンの銅像の前で白人の老夫婦のために写真を撮ってあげたりしつつ、いつしか我々はケンジントンガーデンに入り込んでいた。手近な屋台でアイスクリーム(美味!)とスナック菓子を買ってから、大きなサーペンタイン池でボートに乗って見ることにした。 前にも書いたが、この国の鳥は、妙に人間に懐いていて図々しい。

手漕ぎボートを交代で漕ぎつつ、池の真ん中に出てスナック菓子の袋を開けたところ、アヒルさんやガチョウさんたちが「があがあ」と鳴きながらボートの周囲に殺到して来たではないか!視覚によるのか嗅覚によるのか、どうやって餌の所在を感知したんだろう。仕方ないので、お菓子を水に撒いてやると、水鳥どもは、「があがあ」言いながら、あっというまに食い尽くす。なんと恐ろしい光景だろうか。しかも、水鳥の大群がボートを完全に包囲した状態では、池の真ん中で身動きが取れない。俺は、空っぽのスナックの袋を逆さにして水鳥たちに見せ、「もう終わりだよ!」と何度か言うと、水鳥たちは静かにお尻を見せてボート包囲作戦から撤収して行ったのである。こいつら、犬猫なみに賢いなあ。驚いたわい。

いずれにせよ、男二人で手漕ぎボートで遊んでも、ちっとも楽しくないことが判明した。そこで30分で切り上げて、再び公園の土を踏んだ。このとき、ボート乗り場でデポジットを回収し忘れたのが失敗だったが、まあ仕方ない。

ロンドンの水鳥は、驚いたことにチョコレートを食うのである。公園をウロウロしていると、食い物をもらえるかと思ってガチョウや鴨がついて来る。俺は、冗談半分にカバンから板チョコ(甘すぎて、二口くらいしか食えなかったやつ)を取り出して千切って与えると、幸せそうにガーガーと嘴を茶色に染めながら貪り食うのである。俺は、腹を抱えて大爆笑してしまった!・・・それにしても、糖尿病の水鳥ってロンドンなら珍しくもなさそうだ。

そうこうするうちに、お昼時で腹が減ったので、池に面したお洒落なカフェテリアで昼食を取ることにした。セルフサービスの店で、カレーが美味そうだったので、二人ともカレーを食うことにした。しかし、店の兄ちゃんが俺の「チキンカレー」の発音をなかなか聞き取れないので難渋した。日本語の発音と英語の発音が、全然違うのだから仕方ないのだが。ともあれ、この店のカレーはライスにかける形式のやつで、なかなか美味かった。

腹も膨れたので、ケンジントンガーデンの南に出て、ぶらぶらと歩きながら自然史博物館を目指す。 自然史博物館は、上野の国立科学博物館に良く似た建物だった。どうせ、日本がパクったのに違いない。入ってすぐに「恐竜コーナー」があるようなレイアウトも上野と同じだから、まったく日本人は猿真似小僧だなあ。

ところで、今まで内緒にしていたが、俺にはロリコンの気がある。白人の幼女にめちゃくちゃに弱いのだ。別に、犯罪行為に走るほど重症のロリじゃあないのだが。 そして、自然史博物館の「恐竜コーナー」は、まさしく「ロリコンの園」であった!おそらく映画「ジュラシックパーク」の影響だろうが、子供たちが長蛇の列をなしていたのだ。どいつもこいつも金髪碧眼でフランス人形みたいなのが、1フロアを埋め尽くさんばかりにウジャウジャと。あまりの感動の大きさに、失神しなかったのが不思議なくらいだ。俺の視線は、見事な化石標本よりもそっちの方に釘付けだったことは言うまでもない。

その後、名残惜しげに「恐竜コーナー」を出ると、お決まりの哺乳類の剥製や化学実験のコーナーを足早に回った。とてもじゃないが、全てを見学する時間的余裕はなかったのだが、実に充実した良い博物館だった。次に訪れるときは、全館制覇を目指すとしよう。 そうそう、哺乳類館に、鯨の鳴き声を聴けるコーナーがあったのだが、そこで目も醒めるような白人美少女(10歳くらい)と仲良く笑顔を交わしながら鯨の声を聴けたのが一生の思い出だ。

・・・我ながらたいへんな変態だなあ。

さて、次の目標はナイツブリッジとハロッズデパートだ。やっぱり歩きながら目的地を目指すと、さすがにナイツブリッジはお洒落な繁華街だ。新宿や渋谷とはレベルが違う。カメラの電池が切れたのでコンビニで電池を買ったのだが、コンビニですらお洒落で上品な雰囲気なのには驚いた。でも、雑誌コーナーには無修正のエロ本がスラズラと並び、こういうところは東京より素晴らしい・・・ごほ、がは、げへ、じゃなくて下品だなあ。

やがて、ハロッズに到着した。石造りの重厚なデパートは、3階までの高さしかないが、敷地面積が異常に広く、いくつもの瀟洒な売り場によって構成されて実に楽しいところであった。我々は、本屋や小物売り場、さらにはCDショップを散策した。俺は、発売されたばかりのビリー・ジョエルの新作アルバム「RIVER OF DREAMS」と、タオルを何枚か買った。バンちゃんも、家族のためにいろいろなお土産を買っていた。

このデパートは、最上階が絵画売り場になっていた。あれこれと物色して欲しいものが見つかったので、壁の絵を指差して店員に「あれをくださいな」と言ったら、「お前みたいな貧乏人には売れないよ」と軽蔑の口調で返された。くそう、人を外見で差別するなよ。確かに、半シャツ半ズボンの上、公園で水鳥と遊んだせいでドロドロの格好だったけど。でも、よくよく値札を見直すと、桁を一つ読み落としていた。実は、100万円くらいの絵でやんの(笑)。確かに、そんなものを買う資力も意欲もないわい。店員の指摘は、完全に正しかったのだ!逆に、そのことが悔しかったなあ。

さて、次はピカデリーサーカスに遊びに行く番だ。大通りに飛び出すと、ちょうどかの有名な二階建てバスが到着したところだった。大急ぎで市街地図を見ると、どうやらこのバスはピカデリーの近くまで走るらしい。そこで、こいつを試してみることにした。

バス乗り場の雰囲気は日本と同じだが、料金の徴収方法が全く違う。まず、乗車口で車掌のオジサンに行き先を告げてから乗り込む。もちろん、我々は、せっかくだから二階の席についた。そして、バスが走り始めた後で、先ほどのオジサンが料金を集めに来る。太鼓腹のオジサンは、首に大きな料金箱をぶら下げて乗客の間を回るのだが、驚いたことに、乗車口で告げられた行き先を正確に暗記して、それにふさわしい料金をキチンと徴収するのである。実にすごい記憶力だなあと一瞬は感心するものの、落ち着いて考えてみれば、あまり合理的な徴収システムとは言えない。でも、なにか懐かしいというか、「無駄なことも悪くない」という気になるのだ。こういう経験が出来るから、海外旅行は楽しいな。二階からの眺めも楽しいし。

やがて、バスはピカデリーに到着した。少し時間が早いけど、ここで夕食を取ることにした。店の名前は忘れたけれど、地下に降りる形の薄暗いレストランだった。バンちゃんは、定番のローストビーフを頼んだのだが、俺はキドニーパイという、牛の内臓を包んだパイを食してみた。ううむ、苦くてあまり美味くなかったなあ。

その後、レストラン近くのHMVに入ってみると、嬉しいことに、旧版CDの安売りセールをやっている。俺は、クイーンの「THE MIRACLE」を安価でゲットしてご満悦だったのだが、実は日本のHMVでも同時期にまったく同じ安売りキャンペーンをやっていたので、わざわざロンドンで買う必要も無かったのである。HMVという店は、イベントを全世界のチェーン店で一斉に行うのであった。

その後、ピカデリーサーカスの繁華街に繰り出した。ストリートパフォーマーが群れる楽しい場所だったが、この映画館に囲まれた独特の雰囲気は、どこかで接したことがある。ああ、分かった。「新宿コマ劇場前」だ。あそこは、ロンドンのパクりだったのか!なんか、日本人って、本当に情けない猿真似民族だな。俺は悲しくなったぞ。 ともあれ、我々はストリートパフォーマーの見事な演技や演奏をたっぷりと楽しんだ。やはり、本家本元のパフォーマーは、コマ劇場前のバカなガキどもよりレベルが高い。

俺は、映画館の様子が気になったので、バンちゃんに「そこで待っててね」と言い置いて映画館の物色に入った。でも、めぼしい映画は、「スーパーマリオ」くらいのものか。どうしようかな、と悩みつつバンちゃんのところに戻ると、あいつ、いないでやんの!

焦って探しまくったのだが、どうしても見つからない。先に帰ったのならともかく、誘拐されたとかなら洒落にならない。すごく心配だ。 そこで、急いで地下鉄駅まで行って、まっしぐらにホテルに帰った。

ああ良かった。彼は先に帰っていたのだった。

それにしても、部屋のシャワーは相変わらず壊れたままだ。いちおう、お湯は止まっていたのだが、蛇口一面に針金が巻かれていて、抜本的な修理には及ばなかったことが分かる。つまり、我々はシャワーを使うことが出来なくなったわけだ。こいつは参った。一日くらいなら我慢できるけど、何日も風呂なしじゃあ悪臭大魔王になって、イギリスのロリータたちに嫌われてしまうではないか! イギリスって、実はいい加減で駄目な国だったんだねえ。

これは、いよいよホテルに文句を言わねばならぬ。

我々は、フロントに押しかけて「部屋を替えてくれ!」と主張した。受付嬢たちが出てきて、「規則でそれは出来ません」と言うので、「せめて、風呂だけでも他の部屋のを使わせろ!」とゴネたところ、ミッシェル・ファイファー似の姉ちゃんが、「最上階にシャワー室がありますよ。エレベーターから降りたら、そのまま左に進み続けてください」と教えてくれた。

俺が「なるほど、Lift And Leftかあ」と、いきなり英語版の「おやぢギャグ」をかましたら、姉ちゃんたちには結構受けてた。俺って、外人にも通用するユーモアセンスの持ち主なのだなあと、妙に自信を持ってしまった。この調子で、ロリータちゃんたちをナンパしなければならぬ。いひひひひー。

こうして、我々は無事にシャワーを浴びて汗を流し、平穏無事に熟睡できたのであった。